2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ポランニーの転換、ロンドンの影響?

ロンドン・オリンピックが始まった。ブリクストンと並び、ロンドンのヤバイ地域として有名だったハックニー地区に世界中から観光客が集まる日がくるとは…オリンピックと現代土木技術の力に驚くしかない。 さて、カール・ポランニーの書評を読んでいて、ロン…

英国伝記文学とイヌの進化

新聞の書評から、二つほどご紹介。 まずはマティス。 マティスの一生は、苦難と葛藤の歴史であった。父との確執、安定せぬ収入、画商の裏切り、美術界の悪評、子供の難病…ひとときも安住することがなかった。 さらに、強靭な意志で芸術制作にすべてを捧げた…

日常に踏みとどまる英国文化

英文学者の小野寺健さんが、新聞に英国文化の特質について書いていた。ある意味で言い古された英国論だが、英国論それ自体が、英国風の文体になっていて、しみじみとした説得力を感じた。 まずは、ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」の感想から。 この…

ロンドン暗転、05年夏

2005年7月6日、ロンドンは、パリを破ってのオリンピック開催地当選決定に沸き立ち、トラファルガー広場は歓喜の大群衆で埋まった。しかし、翌7日朝、ロンドンの地下鉄で「オリンピック決定!」の大見出しが躍る朝刊を通勤客が読んでいる時刻に、今度は…

「退く」ことの品位とは

英国シリーズの続きを書きたいが、調べ直すことが必要で、なかなか二回目がまとまらない。こんなときは、「各紙書評乱れ読み」という本ブログのささやかな得意技を披露して、時を稼ぐ。今回は、7月1日付け朝刊の朝日新聞書評から。 あまりにも生々しく、時に…

お母さんって、誰なの?

お母さんは ボクがいないときには いったい 誰なの? 新聞を斜め読みしていて、はっとする文章に出会った。上記の一文は、毎日新聞7月8日付朝刊に掲載された「郵便配達と夜の国」(大庭賢哉、青土社)の書評からの引用文である。 この作品は未読なので、ど…

ロンドンの逆転勝利

今月27日にロンドン・オリンピックが始まる。ロンドン暮らし経験者として、備忘録もかねて、これを機に不定期で「英国シリーズ」をはじめてみたい。****** 7年前の2005年7月6日、シンガポールで開かれたIOCでロンドンが開催地に決まった。…

ヒッグス粒子・素粒子の種類はいくつ?

ヒッグス粒子の発見は大ニュースだったが、気になったのは標準理論で予想された素粒子の種類の数。調べた限り、毎日新聞だけが18種類で、主要紙やNHKは17種類だった。報道翌日の毎日新聞にはどこにも訂正記事がなかったので、毎日新聞本社に問い合わ…