2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

初めて被災地に

テレビ画面や写真で数え切れないほど東日本大震災の被災地の惨状を目にした。しかし、大規模災害は、その場所に行ってみないとその規模が実感できない。 仙台に出張したので、仕事が終わったあと、駅前からタクシーに乗って海辺に向かった。運転手に「被災の…

「SIGHT」諸論紹介

渋谷陽一編集の季刊誌「SIGHT」の2011年夏号を購入。タイトルは「原発日本」。例のごとく、暴論ながら「一理あり」と思わせる発言もあり、以下、紹介します。 大阪の橋下知事について、内田樹がいつになく敵対感情をあらわに批判している。 最初の…

犬塚勉、到達点としてのリアリズム

礒江毅に続くリアリズム考第二弾。 日本橋高島屋で犬塚勉展をみる。一昨年のNHKテレビ「日曜美術館」の犬塚特集をみて、ぜひ実物を見てみたいと思っていた。 ちなみに、この番組では亡き夫を語っていた犬塚夫人の姿も印象に強く残っている。感情を抑制し…

吉村昭の戦争観

吉村昭を読み続けている。「陸奥撃沈」(新潮文庫)から、「史実を歩く」(文春文庫)、「わたしの普段着」(新潮文庫)のエッセイ二冊に進み、本棚には「戦艦武蔵」と「吉村昭が伝えたかったこと」(文藝春秋9月臨時増刊号)が出番を待っている。 「陸奥爆…

「現実破壊」としてのリアリズム、礒江毅

練馬区立美術館で「礒江毅=グスタボ・イソエ」展をみる。礒江は30年間、リアリズムの画家としてスペインで暮し、2007年に53歳で急逝した。 リアリズムの超絶技巧で描かれた事物は、写真のような「現実感」がある。しかし、じっとみていると、その「…

吉村昭に開眼

このところ、読書の軸になっているのが、吉村昭だ。 先月、本屋で立ち読みして、文章が抵抗なくスッスと入ってきたので、「私の文学漂流」(吉村昭、ちくま文庫)を買った。吉村作品は「破獄」と雑誌のエッセイぐらいしか読んだことはない。「破獄」は面白か…