2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

力作「悪人」、でも美男美女が難点

映画「悪人」を観る。吉田修一の原作は、ディテールを積み重ねた精巧な寄木細工だったが、映画は細部よりも大きな物語性に重点が置かれていた。監督の力技を感じさせる、力作だった。 評価したうえでの注文だが、地方都市に生きる青年の閉塞感を演じるには、…

奇跡をみた!「田中一村」展

先日、千葉市美術館で田中一村展を観た。最近は年間に数十回、展覧会場に足を運んでいるが、これは今年一番、揺さぶられた展覧会だった。 田中一村は、住みなれた千葉を50歳で離れ、単身、奄美大島に移住する。当時、沖縄返還前なので、奄美が日本の最南端…

書評「思想家の自伝を読む」を読む

新聞の書評から 自分探しなどするな、他者に徹底してこだわれ。これが著者の挑発である。ブログやツイッターに氾濫する自己露呈の強迫と手前勝手なナルシシズム。他者のまったき不在から刹那的につぶやかれるだけの言葉からは何の創造性も生まれない、と。<…

中台接近報道に驚き

前回のブログで、台湾で並んで売られていた蒋介石、毛沢東のキャラクターグッズに驚いた話を書いたが、その翌日の新聞に同様の記事が掲載されていて、偶然のタイミングに驚いた。 記事は、150体もの蒋介石の像が並ぶ台湾の慈湖紀念彫像公園に、大陸から中…

驚愕!新「国共合作」的台湾

台湾訪問は、12年ぶり3度目だ。 20年前に初めて訪れた時は、スラム街が広がるマニラに住んでいたせいもあり、日本系デパートや高級品を売る店が並ぶ台北の中心街はまぶしく見えた。ところが今回は台北のビルが古ぼけてくすんでみえた。昨年、訪ねた北京…

台湾で流れを変える

またズルズル、ブログの空白が続いている。 いつもは「書く意欲」が欠乏して空白が続くことが多い。しかし、今回は、千葉市美術館の「田中一村」展での感動や、新潟・古町のシャッター商店街化の衝撃、「小さなおうち」の読後感などを字にしたいと思いつつ、…