2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「あの日のリビア」断章

80年代半ばのリビア訪問記の続編です。 今の中東情勢は、未経験の新事態と古層の復活が、複雑にからまりながら同時並行的に進行しているように思える。いずれにせよ、現代史の行方を大きく左右する事態が現在進行形で動いていることは間違いない。 リビア…

あの日のカダフィ

いよいよリビアの首都トリポリで反政府デモが激化してきた。外国人記者の入国が禁止されており、正確な情報はわからない。しかし、情報が厳しく統制された警察国家の中枢で、今後の中東史を左右する大きな激変が進行していることは間違いない。 前回のリビア…

ちょっと昔のリビア訪問記

リビアで反政府デモが拡大している。エジプトと違い、ここでの反政府デモは文字通りの命がけだ。四半世紀前にリビアを訪問したことがある。これを機に記憶を整理しておきたい。***** 1980年代の半ば。日本のエライさんたちのグループに便乗してリビ…

「みずず」読書アンケート11年版(2)

「みすず」読書アンケートの続きです。ガッコの先生を中心としたアンケートも「みすず」らしく悪くはない。貴重な情報源でもある。しかし、もう一歩、前に踏み出せないものだろうか、とも思う。学校関係者ばかりに「読書の世界」を限定している気がする。 こ…

儒教における「中庸と狂狷」

儒教は、「中庸」を貴び、極端を嫌う。それでは、「極端」を完全に否定しているのかというと、そうでもなさそうだ。 論語の「公治長」」にある、「吾が党の小子は狂簡にして…」(郷里の若い人たちは狂簡にして…)との箇所について、朱子の註(「論語集注」)…

「みすず」読書アンケート11年版

毎年恒例の「みすず」の「読書アンケート特集」紹介です。今なら大きな書店で315円で買えます。 「今年は、今ひとつ、掘り出しモノが少ない気がする」というのが全体の印象だ。こちらの「驚く力」が弱まっているのかもしれない。ともあれ、小生のオンボロ…

エジプト騒乱の前史とは

エジプトの反ムバラクデモの勢いが加速している。報道を見る限り、カウントダウンが始まった印象が強い。報道は、現場一色になるだろう。その前に、頭を整理するために、ここ40年くらいのエジプト政治を簡単に振り返ってみる。 1970年にアラブ民族主義…