2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ささやかに、記念日

今日は小生が初めて大気に触れてから「半世紀+α回目」の記念日。 別に感慨はない。出勤前に机に座る。まとわりつく湿気。風はない。微動だにしない葉をまとった木々は静止画のようだ。 たった一つの本棚から、詩集「嵐の前」(井坂洋子)を抜き出す。 …不思…

原田芳雄が逝った

昨日の朝、俳優の原田芳雄が亡くなった。 芸能人の生き死にに個人的に反応することはほとんどないが、原田芳雄死去の報には心が騒いだ。理由は簡単だ。私がファンだからだ。ファンといえる俳優は、これで全滅したのではないか。 原田芳雄を最初にテレビで観…

古代の隣人たち(河南3)

洛陽博物館に行く。2年前にできた巨大な新館だ。建築面積は4万2000平米もあるという。 だだっ広い展示室で、古代の中国人たちとにらめっこしてみた。一人ずつ表情を見ているとあきない。 人間の進化の歴史から言えば、2000年などはあっという間だ…

中庸無縁のタケノコ群(河南2)

中国・河南省の省都・鄭州に行く。河南省の人口だけで1億人だという。 上海、北京の高層ビル群にも腰を抜かしたが、鄭州も高層ビルが「雨後のタケノコ」のように林立していた。当地の中国人は、「五年前と比べても街は大きく変わった」と話す。これほどのス…

現在地、洛陽

本日、河南省の鄭州から洛陽に入った。 数年前に初めて行った北京、上海では、想像以上の近代化に腰を抜かしたが、内陸部の河南省でも高層ビルが雨後のタケノコのように林立していた。「過ぎたるは及ばざるがごとし」とは、この国のことわざではなかったか。…

佐藤優と「うのみ」問題

これまで「つまみ読み」をしていた「国家の罠」(佐藤優、新潮文庫)を遅まきながら通読した。非常に面白かった。商業的記事の成立要素は、つきつめれば「役に立つ」、「面白い」の二つにしぼられる。「役に立つ」とは具体的情報に富んでいること、「面白い…

金子みすゞの虚無

東京新聞夕刊(7月4日付け)文化欄の「金子みすゞの虚無」と題する記事が面白かった。筆者は、文芸評論家の尾形明子。 もし今、金子みすゞが私たちの心を捉えるとしたら、コマーシャルですっかり有名になったやさしい共生のイメージではなく、その詩が底知れ…

サンデル白熱教室の演劇性

佐々木毅の「民主政の不満(上・下)」(マイケル・サンデル、勁草書房)についての書評(110508、日経)を紹介す る。 著者は自らの立場を共和主義的と規定しているが、本書の議論の多くは、アメリカの公共哲学の歴史をリベラリズムと共和 主義の二つ…