驚愕!新「国共合作」的台湾

 台湾訪問は、12年ぶり3度目だ。

 20年前に初めて訪れた時は、スラム街が広がるマニラに住んでいたせいもあり、日本系デパートや高級品を売る店が並ぶ台北の中心街はまぶしく見えた。ところが今回は台北のビルが古ぼけてくすんでみえた。昨年、訪ねた北京や上海の超近代的高層ビル群に比べるとその差は歴然だ。

 最近は、大陸からの中国人観光客が多く、観光地でも中国からの団体客に占領されているといわれている。この中国人観光客たちが台北の街並みを見て、「なんだ、台北は古ぼけているじゃないか」とバカにする傾向があるという。ある台湾人の知人は、「われわれは古いモノを大切にしている。古いものをすぐに壊す大陸の人間には伝統の良さがわかっていない」とぼやいていた。一昔前なら、互いにまったく逆の発言をしていただろう。

 蒋介石を顕彰する巨大な中正記念堂にも行ったが、ここでも信じられない光景を見た。
 土産物屋の店頭に人形が並んでいた。孫文蒋介石、その隣になんんと毛沢東が並んでいる。しかも、3人とも満面の笑顔を浮かべている。2年前に国民党政権になって以来、中台関係は良好になったとは聞いていたが、まさか中正記念堂で蒋介石毛沢東が仲良く笑っているとは…。

※写真は、「古ぼけたビル」と「仲良し三人組」