言霊信仰としての「改憲」

 毎日新聞に藻谷浩介が、『安倍官邸権力の正体』(大下英治、角川新書)についての書評を書いていた。

 「チーム安倍」は、憲法改正という悲願その一点のために支持率を一定水準以上に維持できるよう、他のあらゆることをその手段として邁進しているらしい。

 評者(藻谷)には、憲法改正という目的自体がもはや自己目的化していて「とにかく何でもいいので字句を変えることができれば、そこから日本は変わるのだ!」というような、一種の言霊信仰の世界に陥っているようにみえる。

 だが仮にそうであろうとも、支持率維持の職人としての彼らの活動は、恐るべき完成度をもって日本の民主主義システムを動かしているのだ。


 民主党時代からの民進党の体たらくや中国、北朝鮮の強硬姿勢が大きな「味方」になっているとはいえ、その状況を政権支持へと結びつける意識的な「営業努力」は、前例がないかもしれない。大雑把で単線的な右傾化が緻密な政権運営によって進行しているというわけか。

 今日から、またなるべく続けて書いていきたい。