娘が父の死を映画にした

映画「エンディングノート」を観た。


 ガンで死に行く父を実の娘が撮影したドキュメンタリー映画。これだけ聞くと、「かんべんしてくれ」って気になる。ただ、「ほぼ日」で糸井重里が、「お涙頂戴映画」とは違った角度からの評価だったので、映画館に出かけてみた。


 結果は、大当たりだった。これは確かに他人に話したくなる映画だ。

 個人的には、ガンで今春父親を亡くし、また、60代も視野に入るサラリーマンの身にとって、ガンで亡くなった69歳の元サラリーマンのドキュメンタリー映画は他人事ではなかった。

 それ以上に、この映画を撮影した二女の「立ち位置」に強く興味を持った。肉親でありながら、映像作家としての冷静な視線が常に感じられた。絶望的なテーマの底流にユーモアが流れているのも、作り手の高いレベルを示していた。娘のカメラの前に死に行く自分をさらすオヤジも、なかなか魅力的だった。

 とにかく、感動モノが好きな人も、毛嫌いしている人も、映画作りから家族まで、汲み取れるテーマは多く、「観て損はしない映画」だと思います。「ほぼ日」で糸井とこの映画をプロデューサーした是枝裕和との対談も始まりました。映画を観た後にのぞいてください。一部を紹介しておきます。

(是枝)
 
 いや、僕ね、あいつ(砂田監督)はそんなに覚えてないと言ってるんですけど、「ドキュメンタリーをやる時に、 身内を最初に撮っちゃうと、 あとが続かない人、多いし、 対象への気持ち、 モチベーションが強すぎるから、 よくないよ」っていうことを結構言ってたんですよ。

 しかも、取材対象の内面を ナレーションで語るとかって、 それは邪道だからって。普通は邪道なので、それはしちゃいけない。 ドキュメンタリーは、 『私はあなたではない』が基本だからっていうことを、話していたんですよ。

そう話していたつもりだったんですけど、その2つとも外したものを持ってこられた。

続きは、以下のアドレスで。


http://www.1101.com/ending-note/2011-10-14.html#01