62回目の生誕記念日とSZ

 62回目の誕生日。朝の通勤電車で久々に「存在と時間」を拾い読み。日中は職務をこなし、夜は荻生徂徠の読書会。それなりに、悪くはない誕生日だった。

“現存在は、存在している間に未熟と同様に終末をも含んでいる”
“死へ臨んでそれを隠しながら回避することは、日常生活を根強く支配する態度である”
“誘惑と鎮静と疎外は、頽落の存在様相の特徴である。<死へ臨む日常的存在>は、頽落的存在として、死からの絶えざる逃亡である”
“<死はたしかにやってくる。しかし、今すぐというわけではない>と、人はいう。この<しかし>によって、世間は死が確実であることを打ち消す。…死はいかなる瞬間にも可能であることを覆い隠してしまう”

 以上、「存在と時間」の「第二編 現存在と時間性、第一章 現存在の可能的な全体存在と、死へ臨む存在」から。