泣きながら、にらむ小沢一郎

 先週の「週刊現代」での立花隆野中広務との対談で、かつて盟友であった野中が、小沢一郎について注目すべき証言をしていた。

立花 小沢は東京佐川急便から金丸信がもらった5億円について、もともと金丸が考えていなかった検察との徹底抗戦路線を取るという選択をした。

野中 あのときですよ。金丸邸で小沢さんが金丸さんに向かって「オヤジ、私に任せてください。私のバッジに懸けて守りますから」と。そう言いながら、はらはらと涙を流すんですよ。

立花 そうらしいですね。

野中 本当にはらはらと泣くんです。で、当時、金丸邸に幼稚園ぐらいの孫がいましてね。その孫がのちに言うわけです。
 「うちにたくさんの政治家が来ていたけれど、一人だけ怖い人がいた。おじいちゃんの前であれだけ涙をぽろぽろ流しながら、スーッと薄目でぼくらの表情を眺めていた」って。子どもはちゃんと見抜いていたんですよ。

立花 小沢が金丸の前で涙を流す場面は、確か野中さんが襖の向こう側で聞いていたんですよね。

野中 そうです。そしてあれだけ「オヤジを守る」と言っていたのに、略式起訴、脱税での逮捕と事態が進むなかで、金丸さんは「一度も一郎は訪ねてきたことがない」とこぼしていました。


 野中は、創世会、経世会の時代は、小沢にほれ込んでいたが、その後、「悪魔」呼ばわりをしている。したがって、発言の信憑性は高いとはいえない。しかし、「泣きながら薄目で子供をにらむ小沢」というのは、確かにありそうな場面だ。