蘇我家が天皇家!?

 12月8日付けの毎日新聞の日曜版連載「神宮とおおやしろ」で、古代日本史について大胆な学説を紹介していた。

 聖徳太子は理想的君主として「日本書紀」の執筆者らが捏造した虚像ー衝撃的な説も発表から15年以上たち、今や市民権を得ている。


 「聖徳太子は実在しなかった」との説は聞いたことがあるが、「市民権」を得ていたとは知らなかった。この場合の「市民権」とは?


 大山教授の大胆な学説はこれにとどまらない。

 (大山教授は)聖徳太子だけでなく、推古天皇(女帝)の実在も否定する。当時の天皇蘇我馬子だというのだ。根拠は中国の史書「隋書倭国伝」で、男性天皇の存在が明記され、蘇我王家の実在は間違いないという。

 
 中大兄皇子(後の天地天皇)と中臣鎌足蘇我蝦夷・入鹿父子を滅ばした大化の改新も、天皇蘇我氏なので、中大兄ら近江を根拠地とする息長(おきなが)一族によるクーデターである。


 古事記序文に「これまで各家に伝わって来た天皇系図や伝承、神話はすでに真実ではなくなった」との記述があるが、これまでは「長い年月の間に神話が不正確になってきた」と解釈されてきたが、これは「王家が変わったので、別の系図を新たにつくる」という意味だ。「これまでそんな解釈をした研究者はいませんが」(大山教授)

 素人には真偽の判断はつかないが、専門学者による驚きの仮説である。