ムネリンがブサイク?

 かつてロッテの監督を務めたボビー・バレンタイン氏が、日本とは異質な米国の内野手観について語っていた。甘いマスクのムネリンが、ビジュアルに問題あり。思いもつかない見方だった。

―日本人野手の大リーグでの評価はあまり高くないが。

(バレンタイン)「特に内野手はvisualが問題です。川崎宗則はグッドプレーヤーですが、米国のコーチやファンが彼の守備を見た時に、そうは感じません」


―ビジュアルというと、見た目、ですか。

「何というか…社交ダンスのチャンピオンは、リズムに乗って軽やかに踊りますね。大リーグの内野手の多くはラテン系で、リズミカルに動き、シングルハンドで自在にボールをさばく。日本人には、そういった軽やかさ、ビートを刻む感じがありません」


―リズム感があれば、捕れない打球も捕れるのですか。

「まったく関係ありません。主観的な評価にすぎません。でも、それがとても大きい要素です。選手を評価する人たちやファンの目に、リズミカルでない選手は良い選手ではないと映るのです。日本の25歳の選手なら高校時代から(打球の正面に回って両手で捕球するという練習を)百万回もやっているでしょう。すぐに変えるのは難しいかもしれません」


                  (13年1月16日付け朝日朝刊)

 NHKで放映していた長嶋の現役時代のリズム感あふれる守備を思い出した。