最近の週刊誌を拾い読み、目に着いた記事を二つほど紹介します。第三者のノウガキよりも、当事者の証言はやはり面白い。
「週刊現代」11・19
松本竜助(06年に脳内出血で死去)
「紳助の番組見てみい。賢い奴とは絶対絡まへんがな。アホばっかしや。なまじ賢い奴と紳助が喋っても全然おもろないんや。紳助のスタイルっちゅうのは自分で振って自分で落とす。初めから終わりまで、頭の中にインプットしてある。そやから自分の計算通りに動くアホな奴やないとアカンのや。
反面、その計算がちょっとでも狂うと、対処できんようになる。柔軟性ちゅうか、臨機応変さはまったくない。若手の芸人がちょっとでも紳助の意に沿わんアドリブでも入れてみぃ。たちまち不機嫌になって、二度とそいつには話を振らんようになるから」
竜助は紳助とのコンビ解散後、売れなくなり、最後は大阪の「風俗無料紹介所」の番台に座っていたとか。「週刊現代」には、竜助の葬儀には紳助はこなかったと報じている。
「週刊現代」11月5日号
石川知裕(衆院議員)と田崎史郎(政治評論家)の対談
(田崎)田中角栄は「七奉行」といわれた人材を育てた。しかし、小沢さんには七奉行に相当する人が見当たらない。
(石川)角栄さんや竹下登さんと小沢さんが決定的に違うのは、人を育ててこなかったことだと思います。
(田崎)その理由は、小沢さんの中に根強くある猜疑心の強さのせいじゃないかと思う。
(石川)小沢さんの中に「どんなに目をかけて育てても人は簡単に裏切る」という不信感と痛みがある。
(石川)私ですが、今年の正月に少しお会いしただけで、それっきり小沢さんから電話をいただいたことも「メシ食うか」と誘われたこともありません。
自分で言うのも何ですが、私は立場上、いちばん小沢さんに慰撫されていい対象だと思うんですよ(笑)。「おまえ、大変だったなあ」とか。でもそういうの、一切ナシですから。
合理的というか「あの人が今、必要だ」と思ったときに、パッと思い出して電話をかける。そんな小沢さんを見てきているので、私に連絡が来ないのは、小沢さんの中で、今の私はとくに必要ないのだろうなと。
(田崎)小沢さんは、自分の必要な時以外、人間関係のケアをしない。石川さんのように、それでもついていく人もいますけど。
(石川)まあ、はっきり言って一種のマゾヒストでなければ、小沢さんとは付き合えないと思います(笑い)。
石川氏は小沢のために逮捕されたようなもの。確かに日本的基準からは小沢は、「冷たい」人間だ。ただ、こうした「非親分的親分」タイプの政治家が日本で機能するのは、悪いことではない。