シュール!米国の科学的異民族理解


 上の写真、何を撮影した写真だかわかりますか?

 蓑を着た男の後ろ姿、その横には碁盤がある。目を上にやると、束帯姿の平安貴族が笏(しゃく)を持って座っている。こちら向きで琴をひいている和服の女性は、よくみると瞳がなく白眼をむき、時代劇ホラー映画の登場人物のようだ。

 何の脈絡もなくガラスケースに収まっている奇怪な人形たち…

 実は、撮影場所は、ニューヨーク・セントラルパークのすぐそばにあるアメリカ自然史博物館。この博物館は、恐竜の骨格標本がたくさん展示されていることで世界的に有名だが、館内には、世界の民族を紹介する一角があり、この写真は日本コーナーで撮った。

 リアルな恐竜展示に感心したあと、このシュールな展示に遭遇してたまげてしまった。ここは米国を代表する科学博物館であり、学芸員もそれなりの権威を持っているはず。それなら、この「トンデモ展示」は米国流のジョークなのかもしれない。たしかに、怒りよりも、つい、笑ってしまった。

 熱心に展示物を見ていた白人グループから、「コレラノヒトタチハ、イッショニ、ナニシテイルノデスカ?」と質問されるのが怖くて、すぐに立ち去った。