真夏、眩む

 外に出たとたんに、まばゆいばかりの真夏の日差しで目がくらむ。暑さは体にこたえるが、同時に、真っ白な陽光は、疲れを知らずに走り回っていた子供時代の夏休みを思い出させてくれる。

 昨日は仕事で信州・別所温泉に行った。上田電鉄別所線の一両編成に乗ると、車窓からは水田と遠くの山が見える。濃緑の海の向こうに島が浮かんでいるようだ。

 上田の駅前から空を見上げる。入道雲が見上げる私に覆いかぶさるように大空高く屹立している。こんな大きな入道雲を見上げるのは、いつ以来だろう。

 勤勉だが、勤勉の意味を問うことを知らないアリのように、人間も地上を這いまわっている。
夏よ、もっと暑くなれ。