面白くなってきた英国政治

 英国総選挙は、保守党が第一党になったものの過半数に届かなかった。第二党は労働党で、大躍進が予測されていた自民党議席数を伸ばせなかったが新政権決定のカギをにぎる議席は確保した。大方の予想通りの展開となったが、問題はここからの予想が難しい。日本時間午後11時15分現在の議席数は、定数650で、保守党302、労働党257、自民党56となっている。

ブラウン首相が敗北を認めれば、すんなり政権交代が成立したが、首相は辞任表明をせずに「我々と自民党とは共通の基盤に立っている」と発言し、秋波を送っている。一方、キャメロン保守党党首は、「自民党にオープンで包括的な提案を行いたい」と連携を呼び掛けている。

 保守党と自民党が組めば過半数を超えるが、ひと昔前の政治用語でいえば、EUや移民をめぐって両党は左右両極にあり、普通ならが連立はあり得ない。しかし、かつて日本でも自社連立政権が誕生したように、冷戦後の左右対立は絶対的ではない。保守党が自民党の最大公約である選挙改革をある程度飲めば、成立する可能性も否定できない。単純小選挙区制で第一党が過半数に届かない例はほとんどなく、英国では36年ぶりだ。さらに英国は慣習を重視し成文憲法を持たないことも、実例が少ない事例が起きた場合、混迷が深まる原因となる。
 BBCの最新ニュース解説を紹介して、次の展開を待つことにする。
http://news.bbc.co.uk/go/pr/fr/-/1/hi/uk_politics/8668232.stm