保守主義の劣化

「保守」とは、本来的に損な役割を担いつつ、しかも黙って泥をかぶる存在であり、だからこそ市井の無言の信頼があったのである。軽薄で声高な「保守」派は、軽薄でかしましい「進歩」派よりも社会にとってはるかに始末が悪い存在であるということは、まともな日本のあり方を考えるうえで深刻に考えるべき問題である。


東京裁判、戦争責任、戦後責任」(大沼保昭、「東信堂」)

 もう20年以上前に書かれた文章だが、現状をみるに「保守主義の劣化」はさらに進行している。もちろん、「逆の立場」も負けずに劣化しているが。