一人で散歩するデンマーク女王

サッカーW杯のおかげで、デンマークへの関心が高まっている。せっかくの機会なので、デンマークでのエピソードを紹介したい。

あれは6年ほど前だったか、デンマーク女王のマルグレーテ二世の会見を見物したことがある。場所は、コペンハーゲン郊外のフレデンスボー城。ここは、たしか夏季の女王の居城だが、敷地内は普通の公園と同じように犬を連れた老人が散歩し、恋人たちが手をつないで歩いている。警備員の姿もほとんどみえない。

デンマークの王室は「開放された王室」として有名だ。記者のひとりが、「警備なしで散歩されるといわれているが、本当ですか」と質問すると、女王は、「ええ、よく散歩しますよ。女王だと気がつく人もいるが、じろじろ見られたりしませんよ」と答えた。すると、隣にいたダンナが、「ほんとはね、隠れて警備してるんだよ。わっはっは」と大笑いして茶々を入れる。自転車に乗って街中に買い物に行くともいわれている。

ダンナというのが元フランス人の元外交官。二人で、ボーボワール(!)を翻訳したこともあるそうだ。子どもたちの結婚相手も、長男がオーストラリア人、次男が香港人女性(後に離婚)とカラフルだ。さらに、女王の料理長は日本人。

世界には、こんな王室も存在する。

さて、サッカーはどうなるのか。日本人料理長はどっちを応援するのか。