「遠雷」賛歌の続き。
立松和平のHPを読んでいたら、中上健次との親交についての一文があった。「遠雷」を読んだ時に「枯木灘」を想起したが、立松によると、当時「同志」と感じていた中上が書いた「枯木灘」に触発されて「遠雷」を書いたとのこと。やっぱり、そうだったのか。
立松は二度の盗作事件を起こした。「遠雷」はもちろん盗作ではない。「枯木灘」と通底するものはあるが、作品としては独立した峰を見事に成立させている。ただ、感動したものに共鳴すると、それが作品に反映する体質があったのかもしれない。
HPには、早すぎる晩年に書かれたエッセイが並んでいる。散見する限りでは、「遠雷」の描写が持っていた緊張感とは程遠かった。
立松のHPは下記の通り。
http://wakkanokai.com/01wahei/nikki/htmlData/06/06_09_05.html